(最終更新日:2024-04-16 12:30:27)
  カンバヤシ トシユキ   Toshiyuki Kambayashi
  神林 寿幸
   所属   教育学部 教育学科
   職種   准教授
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■ 研究室情報
1. 【ゼミ紹介】
本ゼミでは「教育行政・学校・教職員に関する社会科学的研究」を行います。社会科学とは、社会や人間の行動をデータに基づいて実証的に明らかにする科学のことです。本ゼミでは客観的なデータに基づいて教育行政に関わる組織、学校、教職員に関する研究を各自が進め、その成果を学位論文にまとめます。
 「教育行政・学校・教職員に関する社会科学的研究」を進めるためには、社会科学や社会科学としての教育学・教育行政学の学問上の性格を理解したうえで、研究作法を身につける必要があります。研究作法には研究資料の集め方、図書や論文の読み方、研究上の問いを明らかにするための調査の設計方法、データ分析の方法、論文の書き方などがあります。
2. 【ゼミの具体的な内容】
3年次のゼミでは講義・演習、文献講読、議論を行いながら、社会科学としての教育行政学及び関連研究の知見を学びます。ここでは卒業後にも活用できる論理的思考・客観的な議論・表現力につながるアカデミックスキルを修得することを目指します。
 4年次のゼミではデータサイエンスやエビデンスに基づいた(教育)政策が重視されていることも踏まえて、教育に関わるデータを実際に統計分析する演習を行います。
 以上に加えて、各自の卒業論文の完成に向けて、個別に又はグループに分かれて論文指導を行います。日本の初等中等教育諸学校で働く教職員の間でも、大学院修士課程や教職大学院等に進学する方が以前よりも多くなりました。大学院修士課程・教職大学院に進学し、研究を進めるためには、何よりも卒業論文で行った研究が重要になります。こうした状況を踏まえて、本ゼミでは学術的に質の高い卒業論文を目指して徹底指導します。
3. 【ゼミの選択をひかえる学生・院生の方へ】
本ゼミは次の①~③の中から1つ以上に当てはまるものがある方の興味関心に応えられると考えます。

 ①データに基づいて社会現象(とりわけ教育に関わる現象)を分析・考察することに関心がある方
 ②本学開講科目「教育の最新事情」「教育の制度と経営」「教育行財政」「教育法規」の講義内容に関心がある方
 ③教職員の労働時間・ワークライフバランス・健康、「学校の働き方改革」に関心がある方
 
 本ゼミを志望する方は、本ページの「著書・論文歴」に掲載されている担当教員の著書あるいは研究論文を入手し実際に読み、ご自身の興味関心に合うか考えてください。
 研究というと日常生活から遠いものと思われる方もいるかもしれません。しかし、そんなことはありません。身の周りで何か問題が発生した場合、それを解決するためにどうしたらよいのかを考えることは実は研究です。本来、研究と実践は不可分のものです。
 社会科学では社会問題を解決するための判断材料を現実世界を客観的に捉えたデータに求めます。今後各分野でビッグデータやデータサイエンスの活用が進むことが予想されますが、このような時代では社会科学的なものの見方・考え方はより重要になることでしょう。これは教育分野でも同じです。
 本ゼミは単に学位論文を仕上げるだけでなく、社会に出てからも役立つ社会科学的なものの見方・考え方を修得することを目標にします。社会科学に興味があり、社会科学的な視点で教育行政・学校・教職員をめぐる課題を徹底的に研究をしたいという方を本ゼミは歓迎します。
4. 【研究指導テーマ】※担当した学生の卒業論文題目です。
5. ■2023年度(通学9件)
・小学校教員の労働環境に関する日英比較――働き方改革関連政策とTALIS2018 の分析を通じて――
・千葉県における不登校支援の政策分析――支援施設の設置状況と関連制度の成立過程に着目して――
・教員の対人関係のストレスを緩和する取り組み――NITS 大賞の働き方改革事例に着目して――
・基礎自治体の人口増加要因分析――流山市、戸田市、明石市のシティプロモーションに着目して――
・教育委員会の取り組みが教員確保に及ぼす影響――公立小学校教員採用候補者選考試験倍率・受験者数に着目して――
・自治体の子育てアプリ導入要因――福島県13 市の政策波及分析――
・残食削減に向けた学校での食育の意義と課題――関連調査の二次分析と先行研究の知見を手がかりに――
・政策の窓モデルに依拠した学校施設複合化の過程分析――東京都立川市の事例に着目して――
・運動部活動の外部委託による中学校教員の労働環境改善の可能性――部活動指導員と地域移行に着目して――
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■ 現在の専門分野
学校経営, 教育政策, 教育行政学, 産業・組織・人事, 健康心理学・健康開発, 産業保健, 労働経済学 (キーワード:教員、教育改革、教育政策、教育制度、労働時間、生活時間、ワークライフバランス、ウェルビーイング、健康、ストレス、メンタルヘルス、職務満足、労働科学、多変量解析、計量分析) 
■ 著書・論文歴
1. 著書  公立小・中学校教員の業務負担   (単著) 2017/12 Link
2. 著書  アメリカ教育例外主義の終焉―変貌する教育改革政治―   (共著) 2021/03 Link
3. 論文  公立小中学校教員の生活満足度を規定する要因 日本労働研究雑誌 (730),81-93頁 (単著) 2021/04 Link
4. 論文  Increasing Teachers' Workloads in the Form of Quantitative Expansion in Extracurricular Activities: Aggregated Data Analysis of Past Working Hours using a General Linear Model Educational Studies in Japan: International Yearbook (10),pp.109-124 (単著) 2016/03 Link
5. 論文  Relationships between Insomnia, Long Working Hours, and Long Commuting Time among Public School Teachers in Japan: a Nationwide Cross-Sectional Diary Study Sleep Medicine 75,pp.62-72 (共著) 2020/11 Link
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■ 講師・講演
1. 2024/02/20 自治体の教育行政・制度とその課題(総務省自治大学校)
2. 2023/02/10 講義・演習「タイム・マネジメント」(Zoomミーティング)
3. 2022/07/22 データから読み解く教員の健康と幸福を増進するための手立て(越谷市中央市民会館 劇場)
4. 2021/06/25 講義・演習「働き方改革時代の管理職に求められるタイムマネジメント・スキル」(長野県総合教育センター) Link
5. 2019/02/22 働き方改革から見る学校経営戦略と事務職員の役割(江戸川区総合文化センター 大ホール)
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■ 受賞学術賞
1. 2023/03 日本学校メンタルヘルス学会 日本学校メンタルヘルス学会研究論文査読担当編集功労賞 Link
2. 2023/01 日本学校改善学会 日本学校改善学会学術研究賞 (『教員の職場適応と職能形成―教員縦断調査の分析とフィードバック―』) Link
3. 2018/10 日本教育行政学会 日本教育行政学会賞 Link
4. 2017/03 東北大学 東北大学総長賞 Link
5. 2014/03 東北大学大学院教育学研究科 東北大学大学院教育学研究科長賞 Link
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■ 社会における活動
1. 2024/03 「願書出し忘れた」と担任から涙の謝罪、女子生徒は第一志望の高校受験できず…「受験生の担当教員に仕事集中」 ※コメント掲載 Link
2. 2023/04 仕事に追われる教員「子供と向き合う時間ない」…授業終え部活指導・保護者から相談の電話 ※コメント掲載 Link
3. 2021/06~2022/03 令和3年度埼玉県小・中学校働き方改革に関する実態調査に関わる分析・研究指導 Link
4. 2020/09~2021/03 教職員の働き方改革に関する学術指導(宮城県東松島市、東日本電信電話会社、東北大学、明星大学の産学連携事業)
5. 2020/08 休まぬ夏 疲弊する教員 ※ 『朝日新聞』(2020年8月11日付朝刊・奈良全県)コメント掲載
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■ 学会発表
1. 2023/06/04 労働時間のウェルビーイングへの影響度に関する教員と他職種の比較(日本教育経営学会第63回大会) Link
2. 2023/03/05 教員の業務負担と働き方改革(日本学校メンタルヘルス学会第26回大会) Link
3. 2022/10/16 学校の働き方改革に対する教職員の意識分析―全国7県校長・教員アンケート調査結果から―(日本教育行政学会第57回大会)
4. 2022/10/16 長時間労働が公立小・中学校教員の健康と業務遂行に及ぼす影響(日本教育行政学会第57回大会)
5. 2022/03/19 教員の働き方改革は学校に何をもたらしたのか(日本社会関係学会第2回大会) Link
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■ 研究課題・受託研究・科研費
1. 2019/04~2023/03  ウェルビーイングを高める教員の働き方と生活に関する実証的研究 若手研究  Link
2. 2022/04~2027/03  政策的レリバンスと因果推論を重視した教職選択・教員供給に関する総合的実証研究 基盤研究(B)  Link
3. 2019/04~2023/03  労働法制改編に伴う教員の新たな勤務時間管理方策の影響と課題に関する調査研究 基盤研究(B) (キーワード:学校の働き方改革、 勤務時間管理、教師の勤務時間等に関する指針、在校等時間、給特法、教師の勤務時間の上限に関するガイドライン) Link
4. 2020/04~2024/03  教員縦断調査による日本型教員人事制度の機能分析―教員の職場適応と職能形成を中心に 科学研究費補助金(基盤研究(B)) (キーワード:教育学、教育政策、教員人事、人的資源管理、パネルデータ) Link
5. 2020/04~2025/03  教員の職能成長とその要因に関する実証研究―教員パネル調査の蓄積とその活用 科学研究費補助金(基盤研究(B)) (キーワード:教員の職能形成、教員の追跡調査、パネル調査、教職キャリア) Link
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■ 学歴
1. 2014/04~2017/03 東北大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 博士課程修了 博士(教育学)
2. 2012/04~2014/03 東北大学 大学院教育学研究科 総合教育科学専攻 修士課程修了 修士(教育学)
3. 2008/04~2012/03 東北大学 教育学部 教育科学科 卒業 学士(教育学)
■ 職歴
1. 2014/04~2017/03 独立行政法人日本学術振興会 特別研究員
2. 2017/04~2018/03 独立行政法人教職員支援機構 事業部 研修事業課 研修プロデュース室 研修特別研究員
3. 2018/04~2018/08 独立行政法人教職員支援機構 つくば中央研修センター 研修事業課 研修プロデュース室 研修特別研究員
4. 2018/09~2022/03 明星大学 教育学部 教育学科 常勤講師
5. 2022/04~2023/03 明星大学 教育学部 教育学科 常勤准教授
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■ 教育上の能力
●教育方法の実践例
1. 2023/04~ メッセージ動画を活用した論文指導
2. 2020/08~ リフレクション演習を組み込んだ講義の展開
3. 2020/04~ 会議システムを活用した卒業論文指導・ゼミ
4. 2018/09~ スライド資料の活用
5. 2018/09~ 新聞記事を活用した演習
●作成した教科書、教材
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■ 授業科目
1. 【院】教育学演習Ⅰ
2. 【院】教育学調査研究1E(教育行財政)
3. 【院】教育学調査研究2E(教育行財政)
4. 人材教育研究
5. 卒業研究
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■ 所属学会
1. 2021/11~ British Educational Research Association Link
2. 2022/09~ 日本労務学会 Link
3. 2019/05~ 日本産業衛生学会 Link
4. 2023/06~ 産業・組織心理学会 Link
5. 2012/05~ 日本教育行政学会 Link
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■ 委員会・協会等
1. 2022/04/25~2024/03/31 公立小学校・中学校教員勤務実態調査研究(文部科学省委託事業) 研究会委員
2. 2022/04/22~ 国立教育政策研究所プロジェクト研究「教育分野の公務労働に関する調査研究」 委員
3. 2021/08/18~ 一般財団法人地方公務員安全衛生推進協会「地方公務員の安全衛生上の課題に関する総合的な調査研究委員会」作業部会「公立学校職場における安全衛生管理体制に関する研究チーム」 メンバー
4. 2020/08~2022/03/31 独立行政法人教職員支援機構 客員フェロー Link
5. 2019/10~2023/03 国立教育政策研究所 プロジェクト研究「教育の効果に関する調査研究」 委員
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■ 職務上の実績
●実務の経験を有する者についての特記事項
1. 2017/04/01~2018/08/31 独立行政法人教職員支援機構での研修の企画・運営 Link
■ 担当経験のある科目
1. 教育行政学特論Ⅰ(東北大学大学院教育学研究科) Link
2. 教育政策の計量分析入門(東京大学教育学部)
3. 教育組織論(東京学芸大学)
4. 教育経営(聖心女子大学) Link
5. 卒業研究(明星大学)
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■ プロフィール
●日本の教職員の労働時間・健康・ワークライフバランスについて、産業・組織心理学、産業衛生学、労働経済学で使用される分析方法を参考にしながら、実証研究(主に政府統計や調査データに対する多変量解析)を行っています。
●教職員の仕事のみならず、仕事以外の生活時間の過ごし方にも焦点を当て、「教員が健康で幸福感をもって仕事と生活をうまく両立できるためには何が必要か」というリサーチ・クエスチョンを立て研究を進めています。