タケミネ セイイチロウ   TAKEMINE Seiichiro
  竹峰 誠一郎
   所属   人文学部 人間社会学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2007/01
形態種別 単行本
招待論文 招待あり
標題 「マーシャル諸島ヒバクシャから見た世界」
執筆形態 共著
掲載区分国内
出版社・発行元 明石書店
巻・号・頁 137-155頁
著者・共著者 西川潤ほか編『社会科学を再構築する――内発的発展と地域平和』
概要 核実験なるものは現地住民の目にどのように映ってきたのだろうか。マーシャル諸島アイルック環礁の現地調査を踏まえて、住民の核実験認識とその変遷に迫る論稿である。
 同環礁の住民は水爆ブラボー実験に遭遇した。当時住民にとって核実験なるものは、「正体不明の爆音や閃光」であった。戦争さらには人生最期をも住民に想起させた。
 「あれは何だ」との騒動が島では起きていたが、放射能の存在は見えざるものであった。アイルック環礁にも「何らかの影響ある」放射性降下物が達していたと米公文書に記述がなされている。しかし、放射性降下物が、住民のパニックを増幅することはなかった。放射性降下物に対して、「死の灰」との認識はなく、粉を目にし、放射性降下物を「美しいもの」と受け止めた住民さえいた。
 しかし住民たちは、アイルックに住み続け、身の回りの異変に直面するなかで、「あの爆弾で『ポイズン』がまかれている」と徐々に考え、確信するようになった。