ハマノ タカシ
  浜野 喬士
   所属   教育学部 教育学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2018/07
形態種別 学術雑誌
査読 査読あり
標題 カントにおける天才概念の体系的位置づけ
執筆形態 単著
掲載誌名 『哲学の体系性』:『現代カント研究』
掲載区分国内
出版社・発行元 晃洋書房
巻・号・頁 14,64-85頁
概要 カントの天才概念の生成と変化を、刊行著作、書簡、講義録、覚書などを使って再構築した。『判断力批判』でカントが提示する天才のメルクマール、すなわち独創性、範例性、記述不可能性、学ではなく技芸への規則の指定、という四つの四つ性質のを、その成立前史に重点を置き考察しつつ、さらに彼が天才と哲学、天才と狂信、天才と調和という各問題をどのように扱ったのかを、当時の思想上の諸潮流との関係、英ジェラードの天才論の独訳問題なども交えつつ検討した。こうした作業の結果、カントにおいて、天才は、学、端的には数学的諸学への適用を制限されること、また哲学への適用をも限定的なものとなること、さらには美しい技芸の領域においても奔放な動きには制約が付されること、そして彼が伝統的、牧歌的な天才論から離脱し、また狂信へ至る天才論とも距離を取りつつ、いわば批判的天才論と言うべきものを構築したということを明らかにした。