イシダ ケンタロウ
ISHIDA Kentarou
石田 健太郎 所属 教育学部 教育学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2025/03 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 保育の質「評価」の自然史的研究:政策形成過程における評価概念の変容 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 上智大学社会学論集 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 上智大学総合人間科学部社会学科 |
巻・号・頁 | (49) |
概要 | 本稿では、厚生労働省子ども家庭局が設置した2つの検討会の審議過程の内容分析を通じて、幼児教育・保育における質の「評価」が、政策形成過程においてどのように認識され位置づけられてきたのかについて、検討した。分析の結果、検討会における「評価」の焦点は、(1) 幼児保育における質「評価」の民主化、(2) 指導監査の「指導・支援」への機能転換、(3) 評価の社会的・文化的背景の再検討とそれに基づく評価システムの再構築の、3つの変化を、制度と実践に求めるものであった。また、幼児教育・保育の成果や幼児期への投資効果に関する定量的なエビデンスは、集団間の価値葛藤を調停するための説得の資源であり、また、ライフポリティクスにおける「不信の眼」に対する専門家による防衛反応として理解できることを指摘した。そして、意味生成の言説は、よい「保育」をめぐる価値葛藤と政治の過程で、かろうじて放逐されずに、ダールベリらが予測したように「近い将来においては、質の言説と共存する」ことになったことを論じた。 |