ササハラ チホコ
笹原 千穂子 所属 教育学部 教育学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2025/03 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
査読 | 査読あり |
標題 | コロナ禍が小学生の食生活,体格,体調に及ぼす影響 |
執筆形態 | 共著 |
掲載誌名 | 明星大学健康・スポーツ科学研究紀要 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 16,1-11頁 |
著者・共著者 | ◎笹原千穂子,本郷愛佳,村岡慈歩 |
概要 | コロナ禍が小学生の食生活,体格及び体調に及ぼす影響を明らかにするために,東京都内の小学5年生男女計313名を対象に3回の測定・調査を行った.実施時期と人数は,コロナ禍前の2019年度113名,コロナ禍の2020年度112名,コロナ禍後の2022年度88名であった.測定・調査内容は,体格測定,食事調査,食生活・体調アンケートで,分析結果を年度間で比較検討した.その結果,コロナ禍の2020年度の体脂肪率が他の年度に比べ最も高かった.2020年度は菓子類の摂取が増加しており,これが体脂肪率を増加させた要因の一つと考えられた.また「給食は楽しいですか」の質問に対してコロナ禍の2020年度では「あまり楽しくない」の回答が他年度に比べて高かったが,コロナ禍後の2022年度では「あまり楽しくない」は減少し「楽しい」が増加した.黙食などの指導が解除されたためと思われる.「イライラするか」,「目は疲れるか」等の体調面に関する質問に対して「よくある」との回答はコロナ禍2020年度で増加した.2022年度ではコロナ禍が終息しているにもかかわらず「よくある」の回答は2020年度を超えてさらに増加した.コロナ禍環境においてテレビ,PC,ゲーム等を視聴するスクリーンタイムが増大し,その生活習慣がコロナ禍にも残ったと考えられた.
以上のことから,コロナ禍では菓子類の摂取量が増えて体重・体脂肪率の増加がみられた.黙食などにより給食の楽しさ減少したが,コロナ禍後に規制がなくなると給食の楽しさは復活した.コロナ禍で心身の不調は増加し,コロナ禍後も心身の不調が続くことが明らかになった. |